テカテカになった顔
次男の頬は乳児湿疹が酷い。
そのため、ワセリンや病院で処方された薬や保湿剤を使っている。
お風呂上がりにはいつもワセリンを塗るようにしている。
しかし、ある日うっかり忘れてしまった。
夕ごはんの支度をしている時、妙に静かだなぁ…と不思議に思った。
振り向いて長男と次男の姿を確認する。
なぜか2人のほっぺたがテカテカと光っていた。
まるで油を塗りたくったかのようだ。
「えぇーーーっ!?何してるの〜!?」
と言いながら駆け寄り、ふと長男の手を見る。
ワセリンの容器の蓋が開いていた。
長男は何も言わずにワセリンを指ですくい取っていた。
そして、顔に塗った!!!
あまりにもベタベタになっていたので
「つけ過ぎだよ〜!」と言う。
長男は、「うん!」と言いながらも塗り続ける。
ワセリンを回収し、塗り過ぎている部分はティッシュで拭き取った。
次男にカメラを向けると
手でバシッと叩かれた。
どうやら撮って欲しくない!?
……わけではなく、ニコニコと満面の笑みを浮かべている。ご機嫌な様子だ。
次男は遊んでいるつもりらしい。
よく見ると、ワセリンがついているのは顔だけではない。
次男の手や髪にまでついている。ベタベタだ。
ひとまずティッシュで拭き取ってホッとする。
そこで長男に質問をする。
「お母さんの代わりにワセリンを塗ってくれたの?」
長男は「うん!」と答えて、私の頬にもワセリンを軽く塗ってくれた。
私は「ありがとう!」と言った。
でも、ん…?
なんだか、スースーする。
わずかにメンソールの匂いもする・・・。
「ええぇっ!?」
長男の手には私のリップクリームが!
いつの間に持って来たのだろうか…。
爪で削った形跡がありデコボコになっていた。
ワセリンを私にも塗ってくれたのかと思いきや、想定外のリップクリームの登場。
長男は嬉しそうに
「マママ!マママ!(訳 : ママの!ママの!)」と、私にリップクリームを渡してきた。
手が届かないと思って置いたはずだったが、背伸びをして棚から取ったようだった。
リップクリームを受け取り、今度からは絶対に手の届かないところに置こうと心に誓った。
そして、ワセリンもしっかり塗って忘れずに片付けようと思った日だった。