みりんをこぼす
夕ごはんの支度をしていた時のこと。
春になり、だんだん昼間は暖かくなってきたものの朝と夜はまだ少し肌寒い。
そのため裸足で歩くと床が冷たく感じる。
しかし、それにしても妙に左足だけが冷たいと思った。
不思議に思いながらふと足元を見ると、私の左足が濡れて液体がたくさん溢れていた。
そして、『みりん』のボトルが転がっていた。
溢れている液体はみりんのようだ。
近くには次男が調味料のボトルを持って、静かにちょこんと座っていた。
「うそでしょー!?いつ、みりんをこぼしたのー!?」
と私は言うものの、まだまだ話せない次男はニコニコしていた。
溢れたみりんを拭かないといけないと思いつつも、みりんでベトベトになった足で動き回るのは気が引ける。
そこで、テレビを見ていた長男に「ぞうきんを持ってきて!」と頼むと、
タタタッと走って行き、洗面所から白いタオルを持ってきてくれた。
「はい!どうじょ!」と自信満々の表情で言う。
「ぞうきんが欲しかったのにーーー!」と、思ったものの取ってきてくれただけでも助かっているため感謝しなくてはいけない。
「ありがとう!」と言って、タオルで全て拭くことにした。
意外なことに、次男の手にはみりんが全く付いていなかった。
掃除をするために次男をみりんが溢れている場所から遠ざけた。
みりんは水とは違ってベタベタするので、
何回も何回も水拭きをしてクイックルワイパーでも拭いた。
それでも、床がベトベトしていた。
次の日も何回か水拭きやクイックルワイパーを使ってようやく、床のベトベトは無くなった。
しかしその数日後にもまた、みりんをこぼされてしまう。
次男は集中していたのか、静かに扉を開けて調味料を取り出していたので全く気づけなかった。
その時は少量で済んだが、何度もみりんを零されては困る。
扉にはこのようなロックを付けていたのだが、なぜか気付くと扉が開けられている。
そこで対策として、
扉の取っ手を紐でキツく結んで絶対に開けられないようにすることにした。
扉を開けるたびに紐を解き、閉める時には紐で結ぶので手間がかかるが、勝手に開けられる心配はない。
その後、
次男だけでなく長男も扉を開けることは無くなった。
調味料を出して無駄にされることがないので安心だ。
これからは、開けられたら困る扉は長男と次男が開けることができない状態にしておきたい。
特に次男は興味を持って色々な物を触るようになってきたので、安全を確認して身の回りの物には注意していきたい。